“世界一幸せな国”と呼ばれるフィンランド。教育、医療、福祉などの支援が充実しており、国民みんなが安心した生活を送っています。しかし、過去に歴史的な困難が立ちはだかったり、冬は日照時間が短く、雪も多い極寒の地で暮らしていたりと、過去にも現在にも多くの試練に立ち向かってきた経験があります。
そんな時、試練への解決を後押ししたのが「SISU」というフィンランド人の心です。サステナブルな取り組みを行う上でも、これから人生を共に歩むお二人が生活していく上でも大切なSISUの心。
今回は、フィンランドのサステナブルな取り組みやSISUの詳しい内容、SISUを体感できるアクションについてご紹介します。
フィンランドはSDGsの目標達成に大きく貢献している国です。2023年のSDGs達成度ランキングで3年連続1位を獲得するなど、サステナブルな取り組みを推進しています。
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、「持続可能な開発目標」のことです。私たちがこの地球で暮らし続けるため、2030年までに達成すべき17の目標が掲げられています。フィンランドでは、教育、貧困、気候変動対策などにおいてSDGsの目標を達成し、ほかの目標においても一定の成果を挙げています。
また、国土の7割以上が森林で覆われているフィンランドは、自然豊かな国としても有名です。トナカイが悠然と歩いていたり、白鳥が湖に佇んでいたり……街から少し足を伸ばしただけで雄大な自然が目の前に広がります。
手付かずの自然と隣り合わせで、共に生活をしているフィンランド人。こうした生活を送っているからこそ、SDGsの取り組みが古くから根付いているのでしょう。
SDGs達成度ランキングでも1位のフィンランド。国連機関が毎年発表している「世界幸福度ランキング」で7年連続1位を獲得するなど、“世界一幸せな国”としても知られています。
フィンランド人はなぜ幸せを感じ続けられるのか。それは、フィンランド人の心に宿る「SISU(シス)」が関係しているのではないかと考えられています。SISUとは、「折れない心、意志の強さ、自らの意思で貫こうとする力」など、さまざまな意味を持つ言葉です。明確な定義はなく、厳しい環境を乗り越えたからこそ生まれた生き方とも捉えられるかもしれません。
冬は日照時間も短く、気温が-10℃を下回る日もあるなど厳しい寒さの中で生活しているフィンランド人。歴史的な困難が立ちはだかった時もあり、幸せとはほど遠い経験をした過去もあります。
そんな自然の厳しさ、歴史的な困難を乗り越えられたのは、SISUの精神が心に宿っていたからでしょう。フィンランド人は、日々のさまざまな困難をSISUを持って乗り越えつつ、自分なりの幸せを積み重ねているのかもしれませんね。
サステナブルな取り組みを行う上でも、SISUは大切な心です。自分の中でやってみたいサステナブルな取り組みがあり、でも少し勇気が出なかった時、SISUの心があなたを後押ししてくれるかもしれません。
フィンランド人は、自分自身に対する優しさを忘れず、ケアを怠らないことを大切にしながら、日々生活の中にSISUを取り入れています。
ここでは、フィンランドでSISUを体感できるアクションについてご紹介します。
フィンランドのサウナ文化
日本でも流行中のサウナは、フィンランドが発祥。2000年ほどの歴史を持つとも言われ、フィンランドの伝統文化の1つとなっています。石の上に水をかけて、熱いスチームを発生させるロウリュや、サウナ・ウィスクと呼ばれる水で湿らせた白樺の枝葉の束で自分やほかの人の体を優しく叩く儀式も有名です。
サウナはデトックス効果、血圧低下や免疫力の向上など体にたくさんのメリットをもたらします。サウナルームの室内は70℃〜100℃。どんな天候の日でも、そんなサウナルームの中で熱いスチームを浴び、白樺の香りを感じることで、体が温まり幸せな気持ちになるのだそうです。
SISUのブレない心を育むためには、体と心が資本!サウナを体験するだけでも、たくさんのパワーをチャージできそうですね。
森林浴やオーロラ観察で自然を楽しむ
雄大な大自然が広がるフィンランド。森林浴やオーロラ観察で自然を楽しみながら、SISUの心を育んでみるのもおすすめです。
森林浴では、四季が織り成す木々のさまざまな表情を感じ取ったり、きれいな空気を吸ったりすることで、日々の緊張感から開放されることでしょう。研究でも森の中を15分歩いただけでストレスが減り、体の緊張がほぐれる効果が実証できたほど、森林浴の効果が素晴らしいものであることがわかります。
森林浴やオーロラ観察でおすすめのスポットがフィンランドの北極圏上の地域であるラップランド。ヨーロッパに残された最後の大自然とも称されています。ラップランドで見るオーロラは、まさに圧巻の景色。オーロラの発生は天候と磁場の条件に左右されますが、運よく見れた時の感動は何ものにも代えがたい思い出になるでしょう。
今回は、フィンランドのサステナブルな取り組みやSISUの詳しい内容、フィンランドでSISUを体感できるアクションについてご紹介しました。
フィンランドは“世界一幸せな国”です。教育、医療、福祉において、充実した支援を受ける中、安心した生活を送れていることでの“幸せ”も、もちろんあるでしょう。しかし、フィンランド人が感じている“幸せ”とは、私たちが感じているものより、もっとスケールの大きいものなのかもしれません。
一生の愛を誓ったお二人。幸せな毎日の中でも、時には苦しくつらい時期もあるでしょう。そんな時、SISUのしなやかな心があれば、落ち着いて乗り越えることができ、よりお二人の絆を深めてくれるはずです。
フィンランド人はさまざまな方法でSISUを育んでいますが、まずは自分を大事にすることが大切であると考えます。自分を大事に思うことで、少しの勇気を持つこと、日々を楽しめる余裕、そして相手を大事に思う心も芽生えるのではないでしょうか。
忙しい毎日の中でも、ちょっとだけ自分を労わる時間を持つ。日常の中で、少しだけでもSISUの心を育む時間を作ってみてはいかがでしょうか。
次回は、アジアにおけるビーチリゾートの王様「バリ島」のサステナブルなアクションについてご紹介します。